不狸ジェイル

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子供でも分かる簡単なカラクリじゃ。長谷川シュウヤを閉じ込めた後、そのカードに赤いインキで×を書き込み、それをスマホのカメラで撮影しただけというもの。 その後、長谷川シュウヤはちゃんとプリズン・アウトしてやった。 ここは事情を抱えた者しか利用する事がない専門の病院。わしもたまに利用するんじゃが、どんな怪我人でも病人でも対応してくれるのがいいところじゃな。 その代わり、治療費はぼったくりと言ってもいいほど高いのじゃが……。 「というわけで、もうお主は人間カードのユーザーの中では死んだことになっておるんじゃ」 わしが長谷川シュウヤに行った事を全て説明した。 「なんでそんな回りくどい事をした? 普通に俺を殺して×印の画像を撮影すればよかっただろ? これなら俺が普通に帰るだけで元通りだ」 「だろうな。確かにその通りじゃ。別に恩赦機能も使ってない。望むなら帰るがよい。その代わり、ちょっとだけわしの話を聞いてくれないか?」 話を聞いてもらう事。それこそがわしの真の目的じゃ。
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