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取り出したのは、プリズンバンドだった。格子の隙間から手を入れて、私にそれを渡そうとしてくる。
「これを装着してほしいの。そうすれば、ここから出る事ができる」
「貴方は誰なの?」
女性はひどく焦っている様子だ。当然かもしれない。侵入者なんだから。
ちょっと予想外の展開で、私も困惑している。てっきりもっと強面の男が来ると思っていたから。
「私の名前は奈良カオル。アナタを助けに来た。今は信じてついてきてほしい」
「どこの組織?」
この質問が奈良と名乗った女性にとっては予想外だったのか、少し戸惑った様子だ。
私も囚われの身だったけど、人間カードの情報は嫌ってほど持っている。
「ブラックオーシャン」、「Σ」、「村正一文字」、「魔女の晩餐会」。
これらにはそれぞれ深い繋がり合いがある。
「革命花」
小さな声で短く女性はそう言った。かくめいか?
聞いた事がない組織の名前だ。まさか弱小組織がここまで来たっていうの?
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