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なんだろう。違和感あるなあ。
掃除は定期的に行われてるけど、実際に暮らしてはいないって事なのか?
もし、暮らしているならもう少し雑な部分があってもいいはずだ。例えば、食べ物は一切見当たらない。
「ねえ。そんなに気になる?」
奈良は不機嫌そうな顔で、腕を組みながら俺の事を睨みつけてくる。
「ああ」
「仕方ないわね。こういう時に臨機応変に動かない男って私、本当にキライ」
奈良は居間の方に足を進めた。その足取りは軽く、人の家だというのをあんまり気にしていないようだ。
「ここは志斎が昔住んでいた家よ」
「え?」
「もう小さい頃にね。母親と一緒に住んでいた家みたいよ。だからこそ、この家の近くにあの屋敷を作ったの。それからというもの、志斎が自分で足を運んで定期的にここを掃除しているらしいわ。秘密の地下通路を作るぐらいだから、よっぽどここに思い入れがあるのね」
志斎さんがそんな事を……?
知らなかったな。
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