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四回転ジャンプだけに言及すると、公式の国際大会で四回転ジャンプを成功させた女子選手というのは、日本の安藤美姫(四回転サルコウ)以来である。
サーシャ・コーエン、スルヤ・ボナリーら往年の名選手が試合で四回転トウループという一つ難度の低いジャンプに挑戦したが、試合ではついに成功しなかった。
伊藤みどりや浅田真央が世界を沸かせたトリプルアクセル(三回転半ジャンプ)でさえ、国際大会に出場する男子には必須であるが、
国際大会で成功した女子選手、となると登場時期に20年ほどの差がある先の二人を含めても5~6人ほどしかいない。
伊藤みどりに憧れた世代の世界じゅうの才能ある女子選手達が男子並みのジャンプに挑戦する時代があった。
浅田真央の姉の浅田舞やキミー・マイズナーも国内戦ではトリプルアクセルを降りている。
採点基準が少しずつ変わり、女子においては男子並みのジャンプを跳ぶよりも、技全体の出来映えや流れ、音楽の解釈や表現力で得点を積み重ねる、という流れが主流になる中
「男子のジャンプを二種類跳んで勝つ」15歳の登場は確かに驚異的だった。
一方、スケート関係者やマスコミの間ではひっそりとこんな声が聞こえた。
「今は10代で身体が軽いから跳べるけど、体型が変化したらわからないね」
「フィギュアスケートはジャンプだけじゃないから…あのままではシニアの世界選手権やオリンピックでは通用しないでしょうね」
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