第4滑走・『残像/残照』

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当時、ショーンはまだ二十歳になったばかり。 男子選手であれば、選手としてのピークはこれからだ。 「スケートの天才少年」から「若きオリンピックチャンピオン」になったショーンに、世界じゅうのマスコミやスケートファンは早くも次の五輪の連覇を期待した。 もちろん舞愛も。 ……なのに。 彼は突如姿を消した。 引退や休養、という意味ではない。 いや、最初は誰もがそう思っていた。 そのうち、彼を追っていたパパラッチやマスコミ、 契約を狙っていたアイスショーの主催者やCM業界、 はてはコーチやスケート連盟の関係者まで彼の所在が掴めない事態になり、大騒ぎになった。 彼がほとんど天涯孤独に近い生い立ちだったこともあり、けっこうなスキャンダルとなる。 「五輪金メダリスト、ショーン・モリー失踪」
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