第3滑走・『天才vs天才』

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第3滑走・『天才vs天才』

数日後。 舞愛は久しぶりにリンクを訪れた。 リンクはすいているし、スポーツバックの中には一応自分の靴が入っている。 …けど、滑る準備もせず、そのままリンクサイドに腰をおろす。 リンクの片隅…コーンで仕切られたスペースでレッスンを受ける、ノービス(ジュニアの下、12歳以下のクラス)の子達を眺めながら。 …あのくらいの頃は、本当にスケートが大好きだった。滑るのも回るのも、跳ぶのも全部。 舞愛がスケートを始めた時は親もコーチも、「オリンピックで金メダルを取らせよう」なんて露ほども思ってなかったと思う。
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