Prologue――吸血?いいえ喀血です。

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―――― ――― ―― ー 揺れる木々、ざわめく叢、打ち付ける雨。 そんな状態の真っ暗闇の中で私はがむしゃらに走っていた。 「いるはずがない……あんなの、いるわけないんだ!!」 そう、私は居てはいけない存在を目の当たりにしてしまったのだ。 映画やおとぎ話でもないのに、あんなものが居てはいけないんだ!! 「んー、最近の若者は現実逃避が好きと見た。だが、それがいい!寧ろそそる!!さぁ、お兄さんと一緒に遊ぼうぜぇぇぇ!!」 「いぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!」 しかも結構変態だしぃぃぃぃ!!塾に向かってるはずなのに全然着かないし!どうなってるのよ、一体!! ――30分程前 「全く……何でこんな山奥の塾に通わなきゃいけないんだか」 私、シェリー=アルフェリア。今をときめく浪人です☆ ……言ってて空しくなったわ。いや、まぁ遊び呆けてたから大学なんて受かるわけないのよね……。完っ全に自業自得ね。 「パパもママもお金なんか無いのに大学に行かせたがって……そんで私をこんな郊外の山にある塾に行かせるって何なんだろ……いや、授業も解りやすいし正直楽しいけどさぁ……」 これ以上心配かけさせないためにも頑張らなきゃ。
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