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彼を狂わせてしまう出会いがあったのは街中にある小さな公園だった。
その公園で彼は待ち続けていた。
自分は捨てられたということを知らずに、ずっとずっと待ち続けた。
「お母さんはいつ迎えにきてくれるの?」
小声で呟きながら空を見上げる。
茜色に染まった空は、僕に何かを伝えようとしているように見えた。
泣き出しそうになって急いで目元を手で抑える。その時、後ろから声をかけられた。
「何してるの?」
急に後ろから声をかけられて、ビックリしたため声がでなかった。
彼は続けて質問をした。
「帰らないの?もう夕方だよ?」
今度は質問に答えようと思い、口を開いた。
「うん。お母さんがまだ来ないから....もう8 時間も経ってるのに。」
僕が答えると目の前の少年は首をかしげた。
「それって捨てられたんじゃないの?」
少年の口にした事の意味が一瞬わからなかった。
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