異世界

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『コレで終わりだ』 足を抑え倒れたままの少女に片手を翳した 夕乃がその人目掛けてタックルをした 『ぐはぁ、貴様何をする、くそっ、邪魔しやがって、ならば貴様から先に片付けてやる』 『させない!!』 少女は片手で応戦した その光のようなものが相手の目に当たった 『がぁぁ、くそっ、目が』 夕乃はその隙を見て少女を連れてその場から逃げる 『待て!くそっ、目が、目が見えない』 『私の事はいいから、あなただけで逃げて』 少女の肩を支えながら逃げる夕乃に言った 『何を言ってるの、まだ手当すれば助かるわ、一緒に逃げるの』 『でもあなたこの世界の人じゃないわ』 『だったら、何だって言うの、命にあの世界もこの世界も関係ないわ』 少女は少し微笑んだ 二人は無我夢中で逃げた 『もう、もう大丈夫よ』 少女がそう言いながらその場に倒れ込んだ 夕乃が少女の顔を見て 『何か、何か手当するもの持ってくるわ』 すると少女は夕乃の上着を掴み 『もう、私はムリ、だからあなたにこの世界で生きていく為に、私の全てを委ねるわ』 『何言ってるの、あなたが死んだら私この世界で生きていく自信なんか…』 次の瞬間 少女は片手を夕乃の腹部に刺した 『えっ!?』 突然の事に成す術もなく 『そんなぁ、あたし、あたしあなたを助けたのに』 夕乃は意識を失いその場に倒れた
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