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「無理しなくてもいいよ」
「へ?」
ぐいっと引き寄せられ、大きな胸にすっぽり埋まる。
「ハルがちょっとでも嫌だって思う事はしたくないから。俺さ、ハルの笑顔大好きだから、それを曇らせる事はしたくないんだ」
なんなんだよ、アキの奴は。
いつもは馬鹿ばっかりやってオレに怒られてばかりなのに、どうしてこういう重要なところでは、こんなにも優しくて頼もしくて格好いいんだよ?
鼻の奥がツーンとしてくる。
「泣かないでよ」
「泣いてねぇよ」
強がるオレを抱き締め、慣れた手つきであやしてくれるアキ。
アキとオレが同じ時代に生まれ、出会い、愛し合えた運命に、本当に感謝したい。
「なぁ、続きしてもいい?」
「あぁ」
心も躰も満たされる幸せな夜が更けていく。
《終》
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