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真由の笑顔が怖い!!
そう思いながら私は少し嬉しかった。
だってこの教室だけは、前と変わらないでいてくれるから。
それは大和のおかげなのか、光希のおかげなのか、それとも京子や真由のおかげなのか……。
きっとみんなの優しさだと思う。
そう思っていると大和が近づいてきた。
「ちょっと亜莉紗貸して」
「大和?」
大和が私の手を引いて教室から出る。
首を傾げると大和は私を心配そうに見た。
「あれから、どう?」
「あ、うん。大丈夫。警察の人からまだ事情とか聞かれるけど、親戚の人達もお父さん達の事見てくれてるし」
「そっか」
大和がホッとしたように息をついた。
大和の家から自分の家に戻って家の中を整理することにした私は家の中である物を発見していた。
それはアルバム。
お父さん達の部屋から見つかったそれには私と志穂の小さいときの写真が収まっていた。
私の写真なんてとっくの昔に捨てられているものだと思っていた。
「ありがとう、大和。ここまでいろいろしてくれて」
「あたりまえじゃん。何かあったら俺のこと頼って」
大和が私の頭に手を置く。
私は大和に頷いた。
そんな私達のそばに月城先生がやってきた。
「アリス、元気か?」
「先生!はい、あの、先日はありがとうございました」
先生に頭を下げると先生は優しく笑った。
「いいんだよ。あいつが何かやらかしそうな予感はしてたから」
「ていうかツッキー、あんな美人な彼女いたとか何事?」
「美人だろ。羨ましいか、紺野」
「別に!!俺には亜莉紗いるから!!可愛い彼女いますから!!」
そう言って私の事を抱きしめる大和。
私は真っ赤になった。
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