自分の幸せ

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「そうだ。お前と言い合いに来たわけじゃないんだった」 「何しに来たんだよ」 「亜莉紗」 大和に呼ばれて私は悠の隣に立った。 「悠、ありがとう」 「え?」 「私の事嫌わないでいてくれて。いっぱい助けてくれてありがとう。本当はあの日に言おうと思ってたんだけど、志穂があの事件を起こしてしまったから言えずにいたの。たぶん私は悠がいなかったらここまで耐えられなかったかも」 「亜莉紗……」 「悠が従兄弟で本当に良かった」 そう言って笑うと悠が私に手を伸ばした。 その手を大和が掴んだ。 「……何?」 「それ、俺の台詞。亜莉紗に触らないで」 「俺は亜莉紗の従兄弟なんですー。お前より先に亜莉紗といっぱいイチャイチャしてたんですー」 「悠!?」 「そうですか。でも今は『俺の』亜莉紗なんですー。勝手に触らないでくださーい」 「大和!!」 赤くなって慌てるとおじさん達は楽しそうに笑った。 悠の病室をあとにした私達は今度はお父さんとお母さんの病室へ行くことにした。 心臓がばくばく音を立て始める。 そんな私の手を大和が優しく掴んでくれた。 深呼吸をして私は病室に入った。 「お父さん……お母さん……」 小さい声でそう声をかけると、二人が横に並んだベッドの上で私を見た。 「亜莉紗!」 お父さんが優しく私を見てくれる。 大和はお父さんに頭を下げた。 「あの……体調、どう?」 私はそう聞きながらちらっとお母さんを見た。 お母さんはただ呆然と私を見つめていた。 「ちょっと動くと痛いときがあるけど、全然平気だよ。亜莉紗が助けてくれたって聞いたよ」 「私じゃないよ!大和に電話かけたら全部大和がしてくれたから……」 「ありがとう大和くん」 「いえ。大事なくて良かったです」 お父さんと大和を見ているとお母さんが口を開いた。 ・
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