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なんだろう……。
あんなに寒かったのに、今は凄く暖い。
安心する……。
え?
でも、どうして?
ゆっくり目を開ける。
すると私はベッドの上にいた。
え?
ベッド?
地下室にベッドなんてない。
それに、こんなに明るくなんて……。
辺りを見渡してハッとする。
ここ、地下室じゃない。
じゃあ、どこ?
頭を押さえながら俯いていると部屋の扉が開いた。
「あ、亜莉紗。おはよう」
入って来た人に驚いて目を見開く。
だって、おかしい。
どうしてコイツがここにいるの?
コイツは、親戚中から全力で私に近寄らないように守られてたはず。
呆然としていると入って来た男がニコッと笑って近づいてきた。
「久しぶりだね、亜莉紗」
「どうして……」
「俺ね?亜莉紗がいる学校に転校する事にしたの」
「え……?」
「でも俺、まだ高校生じゃん?一人暮らしとか許してもらえなくて。だからこれからは亜莉紗ん家でお世話になるの」
「私の家……、って!!ここ、私の家なの!?」
「あー、そっか。亜莉紗、自分の家の中も知らないのか。無理もないよね。俺、さっき亜莉紗探すの超大変だったし」
「探した……?」
「まさかと思って地下室行ったら亜莉紗倒れてるし。焦ったよね」
「え?じゃあもしかして、ここに連れて来たの……」
「俺に決まってるでしょ?安心して、亜莉紗。ちょーっとムカついたからオバさん締め上げといたから」
「え……?」
「知ってるでしょ?亜莉紗。俺は亜莉紗以外には優しくないって」
そう言われて抱き締められる私。
コイツは私のいとこ、菅原 悠(すがわら はるか)。
同じ歳の、ドS王子。
なのに、いつも悠は私を助けてくれる。
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