枯渇

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…ざ…ざざ……… 誰もいない静かな町に壊れたラジオから機械的な電子音が響きわたっている。 ラジオを聞いているものはいない。それどころか、街には物音一つしない。 まだ夕方だというのに広い国道を走る車もなく、近くの大型ショッピングモールの壁は崩れ去り、強盗にでも入られたかのように荒れ果てた雑貨屋の店内が顔をのぞかせているのが見える。 ────ここにも“生存者”はいないか…。 ピ──────── 突如響く電子音。 続いて合成音声と思われる無機質な女性の声が街に響きわたる。 もう、この街には誰もいないのに…。お勤めご苦労様。 私はフンと鼻で笑うと立ち上がり、回れ右をして元来た道を戻り始めた。 女性の声はまだ続いていた。 ざ…ざざ… 208…9年…5月2…9日…14…26分 この…街は壊…つし、 人る…は滅亡致…ました。 繰り…します。 人る…は ───滅亡…致しました───。
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