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それからは早かった。
人間と瓜二つだった彼らの体格はひと回りもふた回りも大きくなり獰猛な牙と赤い眼球が姿を現した。昨日までともに仕事をしていたアミティーが次々と人を喰らっていく様はまるでホラー映画に吸い込まれたかのようである。
しかも彼らには核兵器も毒ガスも通用しないのだ。まさに異形の生物と化したアミティーを前に人類は為す術もなく、当時の地球は明日は自分が喰われるかもしれないという恐怖、幼い子供を失った母親の怨念、目の前で恋人を喰われた狂気などに支配され、絶望の淵へと追い込まれていた。
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