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そこには由利華の言ってた人影どころか、教師が誰ひとり居ない。
俺は違和感を覚えた。
それは、積まれてある雑誌がほんの少しだけズレてる、そんな違和感だった。
『何か』その正体も解らずここに来た。
準備といったら心の準備しかしていない。
「なぁ由利華、ここで合ってるんだよな?」
「…うん」
由利華が震えている。
「どうした?」
「…怖いの」
「怖い?」
急に背筋が冷たくなった、俺は後ろを振り返った。誰もいない。仕方ないので職員室から俺達の教室の鍵を持ち出しドアを閉めクラスへ行く。
以前として由利華の恐怖を抑えることはできなかった。
教室に来る途中誰とも行き合わなかったがさほど不思議とは思わなかった。
鍵を開け中に入り自分の机の中を荒らす、夏休みの宿題を取り出す。
教室を出てクラスの鍵を職員室に返しに行く。
「また職員室に行くの?」
「鍵返さなくちゃ」
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