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「そうだよね」
この一件で由利華は職員室を嫌っていた、夏休みが終わってもこの調子なんだろうな。
ドアをゆっくり開ける、さっきと変わらず教師がいない。
俺は鍵を返しここを出る、廊下を歩き昇降口を下りる。
ここに来るときは何も思わなかったがさっきのことで少し緊張気味になっているせいか、あることに気づく。
「なぁ由利華」
「何?」
「部活って夏休みだから無いのか?」
「え?あるんじゃないのかな」
「だって校庭に俺達以外部活中の生徒が誰ひとりいないじゃん?」
「…そう言われれば誰もいないね」
校庭は何かを待ち構えてるように静かで人影が無い、無意識に自分も恐くなる。
校門の前まで行くと由利華はこの空気に堪えられなくなったのか俺の手を掴み走り出した。
「ちょっ、由利華!止まれって!」
「やだぁ!」
校門を抜けると背中が重くなる。
すると、由利華は突然止まる。
えっ、恐い。
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