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ファンファン…
目の前を電車が走り抜けていく。
その勢いで私の肩の少し下まである髪の毛が揺れた。
カシャン…
電車が通り過ぎるとバーがあげられ、待っていた人達は渡っていく。
私もゆっくりとその道を渡った。
――季節は桜舞う春。
今日は高校の入学式、新品の制服に身をつつんでいるものの、新しく始まる生活に少しも期待などしていなかった。
だって、そうでしょ。
新しく高校生活が始まるとしても、どうせ今までと大した変化は無いに決まっている。
友達だって、こんな私じゃ―…。
ポンッ
不意に肩を何者かに叩かれ、私は振り返った。
「…昴」
「なにつまんねぇ顔してんだよ…新しく高校生活が始まるってのに…」
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