1桜舞う季節に

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* 「あー…何つーか…うん」 昴がクラス割りの紙を見ながら苦笑した。 私も同じく苦笑をする。 「これで私たち、十年間も同じクラスってことになるね…」 「もう笑うしか無いな、マジで。」 やはり、何か縁があるのか高校生になっても昴とは同じクラスということになった。 別に嬉しくないわけじゃ無いんだけど…何か複雑っていう…。 「とりあえず…教室行くか」 「だね…」 コクッと頷きながら言うと私たちは二人で教室まで向かう。 この学校は、一階が一年で二階が二年、そして三階が三年となっている。 まぁ、見ての通り学年があがればあがる程、上の階となるわけだ。 そのため、一年の私たちが教室に着くまでに大して時間はかからなかった。 教室には既に何人もの生徒で溢れ返っている。 何故か近くにいた生徒たちが後ずさったが、直ぐにその理由を把握する。 隣でジャラジャラと騒がしい音を立てるこいつが原因に違い無いからだ。 「席は決まってるみたいだな…」 昴がイスの背中に貼られている名前つきのシールをチラリと確認して言った。 「みたいだね」 私も改めて確認してみる。
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