プロローグ

1/1
前へ
/40ページ
次へ

プロローグ

    私たちが出会ったのは確かに偶然だった。 でも、私は今、私たちが出会ったのは必然だったと思う。 私たちは誰にも届かない叫び声を上げていた。 その上、長い間叫び続けたせいで 声を上げていることを忘れてしまった。 その声さえ、もう枯れ果てた頃・・・ あの遅咲きの桜の木の下で 関わるはずのない私と彼の道が一瞬重なった。 それは運命だったとしか説明のしようのない、奇跡、だった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

390人が本棚に入れています
本棚に追加