2、Dissatisfying boy

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夕暮れの道路。 今日もかったるい学校での授業を終えて、家路を急いでいた。 森哲也(もり てつや)、17歳。 自分で言うのもなんだがどこにでもいる普通の高校生だ。 とびぬけて容姿がかっこいいわけでも、特別性格がいいわけでもない。 唯一、特技になりそうだった空手も、うまくいかずやめた。 子供の頃は、もっとすごいヤツになれるんじゃないかと思ったりもした。 でも、現実はこんなもん。 しかしながら、普通を維持するのも結構大変だ。 授業中、教師の目を盗んで居眠りしなきゃいけないし、 休み時間も、机につっぷして寝たふりしなくちゃいけない。 どちらも簡単そうに見えるが、実際は想像以上に技術と忍耐力が必要な作業だ。 普通でいるのも楽じゃない。
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