3、Childhood friend

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「さん付けしたら入れてやるよ」 「え? 何? イタタタ! サンヅケ?」 「名前にさん付けろって言ってんだよ。哲也さんって」 「て、哲也さん、入れてください!」 「……ったく、しかたねえなぁ」 頭を押さえていた手をゆるめドアを開けると、ミキは頭をさすりながら入って来た。 「ふぇ~、やっと入れた……意地悪な隣人を持つと苦労するなぁ」 「喧嘩売ってんのか」 「しかし、入ってしまえばこっちのもの!」  そう言うと、トコトコと小走りで家の中に入っていく。 ため息が出る。 同い年で、中学までずっと同じところに通っていた幼馴染。 いつも一緒にいるのが普通だったせいか、高校が違くなってもこうして腐れ縁が切れない。 元気なのはわかるが、時々猛烈にうっとおしく感じる。 せっかく一人で家を独占できると思っていたが、とんだ邪魔が入ってしまった。
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