3、Childhood friend

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重い足取りでリビングに入ると、ミキがキッチンの方で食事の用意をしているのが見えた。 勝手に食器棚から皿を出し、ご飯をよそっている。 「今日の晩ごはん、カレーだって!」 さっきまで腹ペコだったが、こいつを見ていると食欲がなくなっていく。 リビングのソファーにドカリと腰掛け、こめかみあたりを指で揉む。 「ねえ、哲也さーん、福神漬けどこー?」 「……知らねえよ」 「あ、あったあった……でもこれ赤いやつじゃん。私、オレンジっぽい福神漬けじゃないとダメなんだよなー、あっ、家に買い置きがあったかも!」 ミキはそう言ってリビングを通り抜け玄関へ向かう。 「なに、帰んの?」 「違うよ! ちょっと福神漬けとってくる。すぐ戻るから」 あわただしく玄関を出ていくミキ。
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