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重い足取りでリビングに入ると、ミキがキッチンの方で食事の用意をしているのが見えた。
勝手に食器棚から皿を出し、ご飯をよそっている。
「今日の晩ごはん、カレーだって!」
さっきまで腹ペコだったが、こいつを見ていると食欲がなくなっていく。
リビングのソファーにドカリと腰掛け、こめかみあたりを指で揉む。
「ねえ、哲也さーん、福神漬けどこー?」
「……知らねえよ」
「あ、あったあった……でもこれ赤いやつじゃん。私、オレンジっぽい福神漬けじゃないとダメなんだよなー、あっ、家に買い置きがあったかも!」
ミキはそう言ってリビングを通り抜け玄関へ向かう。
「なに、帰んの?」
「違うよ! ちょっと福神漬けとってくる。すぐ戻るから」
あわただしく玄関を出ていくミキ。
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