Extra――聖夜と従者と吸血鬼

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「おい、シェリー。質問があるのだが、『クリスマス』……とはなんだ?」 冬も深まり、本格的に寒くなってきた魔界の森の奥に存在する巨大な館、ヴァレンタイン邸。 その食堂を蝋燭と暖炉の火が暖かく照らす中、館の主である吸血鬼、ベルモンド=ヴァレンタイン様が朝食(私たち人間にとっては夕食)を摂りながら私にそんなことを聞いてきました。 どうも、こんばんは。おはようの方もこんにちはの方もこんばんは。誰に挨拶しているのかさっぱり解りませんが、ベルモンド様の従者のシェリー=アルフェリアです。今は魔界在住ですが、一応人間です。魔族とかじゃないですよ、勘違いしないで下さいね? 「あぁ、そう言えばもうすぐクリスマスでしたね。クリスマスとは神の生誕を祝うお祭りd「祭りだと?」え?あ、はい」 ベルモンド様は残りのお食事を一気に食べると、勢いよく立ち上がりました。 「祭りと聞いてじっとしている俺様ではない!シェリー、急いで準備をしろ!!」 「でも、クリスマスは1週間後ですよ?」 「む、そうか。ならば1週間後に向けて準備をしろ!!大いに楽しんでやろうではないか!!」 ていうかそもそも吸血鬼がクリスマスって聞いたことが無いんですが……。まぁ、今に始まった事ではないから良いですけど。
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