Extra――聖夜と従者と吸血鬼

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「畏まりました。では、早速準備に取りかからせていただきます。……ところで、プレゼント等は如何致しますか?」 「プレゼントだと?」 「えぇ。クリスマスにはプレゼントが付き物です。サンタクロースという赤い服に赤い帽子を被ったおじいさんがプレゼントを配ってくれるんですよ」 「紅い服に紅い帽子を被った老人……だと?プレゼントは生首か何かか?」 「いえ、赤いのは返り血ではないですしプレゼントもそんな物騒な物じゃないですよ」 勘違いしちゃうだろうなと思ってましたが予想を遥かに越えた勘違いの仕方でしたね……。私もビックリです。 「というと?」 「サンタクロースはその人が欲しいと思っている物をくれるんです。でも、その為には欲しい物を手紙で伝えなくてはならないので是非お聞きしたいなと」 「フム、成る程な……。では、こうしよう。俺様はお前に欲しい物を書いた手紙を渡す。お前は俺様に欲しい物を書いた手紙を渡せ。そしてそのサンタクロースとやらに手紙を送ってやろう。名前とプレゼントが逆だからな、慌てるぞ、きっと」 イタズラを思い付いた子供のように無邪気に笑うベルモンド様に思わずキュンとしてしまいましたよ。こういうのズルいです、この人は。 「畏まりました。では少々お待ちください。急いで手紙を書いてきますので」 「あぁ、待っているぞ」 「はい、失礼します」 お辞儀をし、食堂から出て、自室に戻る。 プレゼントは何にしましょうか……。……あれ?これじゃあ私がベルモンド様にプレゼントを渡すんじゃなくて所謂『渡しあい』になるんじゃ……? 「しまったぁぁぁぁ……」 思わず壁に凭れてしまいました……。あのときの『成る程』はそういう意味ですかベルモンド様……。
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