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――ベルモンドside――
「お待たせしました。それではお手紙の交換を致しましょう」
数分後、シェリーが手紙を持って食堂に戻ってきた。先程書いた手紙をシェリーに渡し、紅いマントを羽織る。
「あぁ、確かにサンタへの手紙は受け取った。俺様は先にサンタへ届けにいく。暫くの間留守を預かっていてくれ」
シェリーからの手紙を受け取り、食堂から出る。
「畏まりました。お気をつけて」
その送る言葉に片手を上げて答えた後、館の外に出る。
外はもう既に暗く――というか暗くなくては困るのだが――、酒で火照った体には肌寒い風が肌に突き刺さるのが心地よく感じられる。
「……さて、奴は一体俺に何を望んだのか」
手紙を広げ、その整った字を読む。そこに書かれていたのは、俺様を困らせようと目論む、シェリーの顔がはっきりと浮かぶ要求であった。
「……成る程。『ベルモンド様の心』か。これには困ったな。……全く俺様はもうお前に惚れているというのにな……」
……今、あいつと顔を合わせたらかなり危険だな。いつボロが出るかわかったものじゃない。
俺様は懐に手紙を仕舞い、目の前に広がる森へと歩き出した。
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