Extra――聖夜と従者と吸血鬼

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――シェリーside―― 「さて、と。ベルモンド様は何が欲しいのかなーっと」 ベルモンド様が出てから鼻歌混じりにその手紙を開く。でも、書いていたことはやはりというかなんというか―― 「『この世で一番美しい物』って、何ですかベルモンド様ぁ……」 やはりあの方は私を困らせることが好きみたいです。ベルモンド様が思う一番美しい物って何ですか……。抽象的過ぎますよ……。 「うーん……宝石?……じゃないよな……。ワイン……いや、確かにベルモンド様はワインが好きだけど美しいとかそういう考えではないはず……あぁもう!あと1週間でこの答えを見つけなきゃ駄目なんですかベルモンド様……」 無茶振りには慣れたつもりだったけど……流石にこれはお手上げですよ……。 ……いや、駄目だ。諦めちゃ駄目だ。ベルモンド様に失望されないよう自分なりに答えを見つけなきゃ! 「一先ずプレゼントの事は置いておいて、今は目先の仕事を片付けよう!!」 目の前に広がる純白のシーツが敷かれた大きなロングテーブルに孤島の様にポツンと置かれた食器とワイングラス、ワインボトルを見て、私はそう呟いていた。
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