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「クク……では、乾杯といこうか」
未だに笑っているベルモンド様に満面の笑みで返す。
「「乾杯」」
チンッと良い音を出したグラスの中身を2人で一緒に飲み干す。お酒は20歳になってからとか知りません。郷に入ったならば郷に従いますよ、私は。
「……ふむ、ブドウのほどよい甘味と芳醇な香り……。
そして仄かにする生臭い血のあ……グフッ」
ワインの赤色が紅色に変色したものを咳と共に吐き出すベルモンド様。
「あー。ベルモンド様、それ掃除するの私なんですよ?」
四つん這いになりながら咳き込み続けるベルモンド様をニヤニヤしながら見下ろす。
「ガハッごふっゲフッ……シェリー……貴様図ったな!ゲホッゴホッ!!」
涙目で私を睨み付けてくるベルモンド様。しかし位置的に上目遣いになってるわけですから私にとっちゃご褒美ですよ、ウマウマですよ!
と、私の至福の一時を邪魔するかの様に、食堂の入り口とは逆方向から窓ガラスが割れる音が響き渡ります。
「ッ!な、なに!?」
驚いて思わずそちらを見てみると、よく見知った銀髪紅眼の男が居ました。
「イタッ!ちょ、ヤバい破片が服の中にッ!!あーくそっ、窓ガラスめぇぇぇ!!」
なんかのたうち回ってますが、いつもの病気なのでスルーさせて頂きましょう。
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