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「お腹いっぱーい。わんこそばみたい」
「あはは、違うでしょ?」
と笑っているが何処と無く疲れが見えたため、店を出た後は真っ直ぐ家まで送って行くことにした。
大きな荷物をガラガラと引きながら「本当にアメリカに居たんですね」と思わず声を掛けてしまうほど。
「そちらの様子は?」
「そうですね。私、新入社員の子達と仲良くしてますよ?まあ結婚式に呼ぶかは…その子達次第ですけど」
「そうですねえ。あまり大事にはしたくないです」
「あとは…そうだなー…いつもの常連さんが紹介してくれたのが大手だったんですよ。それで、私と林田が一生懸命仕事して」
内田がまた笑うので、「機嫌良いですね」と加えた。
「いや、楽しそうなあなたを見ていたら疲れも吹き飛んだなと」
「…そう?」
「あなたの笑顔は人を元気付けます」
そんな大それたことしてないよ、と首を横に振る。
「明日、式場行きますよね?」
咄嗟に話題を変えると内田はさらに笑った。
「行きますよ」
「な、なんで笑うんですか!」
内田の家の前に着いてすぐにエレベーターのボタンを押した。
「上がっていくんですよね?」
「質問と答えが一致してませんってば!」
そういいながらも少しだけ嬉しい気分になったのは言うまでもない。
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