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「一体どこに行ってたんです?」 知ったこっちゃないだろ、と心の中で呟く。 私もだが、内田さんも私に会うたび顔をしかめている。 眼鏡の下ではキリッと睨みつけ、怒鳴ることはない口はギュッと萎む。 この世で1番嫌悪を抱きあってる上司部下の関係だと自負してる。 「少し眠くて顔を洗いに…」 「ほう、化粧をしているのにですか」 …別になんでもいいだろ。 それが伝わったのかバカバカしいと思い直したのか、内田は自分のデスクに戻った。 ホッとため息をつくがまだ一日の半分も終わってないというストレスにさらに大きなため息をついた。
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