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酔いを覚まそうと外に出てみるがかなり寒い。 実家は既にストーブではなく暖房に切り替えたという報告があった。 私はストーブの方が好きだけど。 あのちょっと焦げ臭い灯油の匂いとか、皆で囲んであったまる感じとか。 うう…そんなことよりこんな薄着じゃ寒すぎた。 背後になにかを感じたのはその時だった。 「なんだ、横峰さんですか」 このイラっとする声は奴しかいない。 「ああ、内田さん。どうしましたか?」 「少し酔いを覚ましに」 それっきり話すことはないと言うような表情で私をみた。 仲直りって、そんなの不可能だ。 まずなんでこんなに仲が悪いのかがわからないのだから。
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