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太陽が真上に昇る時間、多くの木々が立ち並ぶ森の中、ひときわ強く風が吹く。
小枝を揺らし木の葉を落としながら吹き去る、ついでとばかりに僕の薄紫色の髪も荒々しく撫でてく。
「はぁ、何で見つからないんだろう?」
ため息をついて止めていた足を動かし、森の中を歩き出す。
長時間歩いたため僕の足は重く、体に疲労が溜まっている。
黒のズボンに同じく黒の長袖のシャツを着て腰には一本の刀を差している。
見渡す限りの緑に飽きてきたけど、気を抜くわけにはいかない。何せこの森は多くの魔物が生息しているからね。
いつ魔物と遭遇もしくは襲われるか分からない。
っと、集中力が切れかかっていると後方から微かに茂みを掻き分ける物音がした。
音のした方に体ごと視線を遣り腰に差してある刀の柄を掴み、いつでも刀を抜けるように身構えた。
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