魔法使いの願い事

プロローグ

奴はシミッターを構え直した。

「はっ！」

僕は短い掛け声と共に地を蹴った。

リザードマンも地面を蹴り僕の懐に飛び込んでくる。僕の首を捉えてシミッターを斜めに切り下ろした。

僕は地面すれすれに構えていた刀を、首目掛けて降り下ろされたシミッターにタイミングを合わせ力任せに刀をぶつける。

擦れ合う刀身が火花を飛び散らす、鍔迫り合いに持ち込みほんの数秒間硬直した。

硬直状態は僕が押し負けることで解かれた。

このままだと体勢を崩されるよね。

鍔迫り合いから強引に押し返しリザードマンの体勢を崩させて、シミッターを腕ごと真上に弾き返し腕を引き戻し空いた胴体を刀で真横に切り払う。