プロローグ

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刀は奴の鱗の薄い腹を抉り辺りに鮮血を飛び散らせた。ギャッ、という鈍い悲鳴。しかし、僕の斬撃は致命傷を与えるには至らなかった。 「ダメだ、浅い」 「ウガァァァ!!」 奴は怒りかあるいは恐怖の雄叫びを上げ猛然と地面を蹴って、僕との距離を縮めてきた。 奴がが地面を蹴ったのと同時に僕も猛然と地面を蹴った。 奴は僕の首にシミッターの軌道を合わせ真横に一閃した。 首を切り落とそうと凄まじい速さで迫ってくるシミッターを、突撃しながら姿勢を低くし潜り込むようにシミッターの軌道から体を反らす。 勢いを落とさず低い姿勢のまま突進してきたスピードを脚、膝、腰、と捻り右腕に凄まじい遠心力を集め全体重を乗せる。 限界まで加速された僕の体は、普段の倍速で右手の刀を振るい奴の胸の中央を貫いた。 体の奥深くまで突き刺さった刀を引き抜くと勢い良く血飛沫が飛び出した。
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