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奴はふらつきながら後退り、今にも倒れそうになりながらも踏ん張り何とか持ちこたえ、必死の一撃とばかりにシミッターで切りかかってくる。
「しぶといな、心臓を貫いたはずなんだけど……魔物には容赦は無用……情けをかけるなか……」
僕は左手を奴に突き出すように向けて、体の中から燃えるように熱い魔力(オド)を左手に集中させ、自然界の魔力(マナ)を集め、オドで魔力の質を上げ、集めたマナで属性を付ける。
頭の中にあるイメージを詠唱で作り上げ魔法を構築する。
「我が敵を突き刺す雷電の槍━━ライトニングスピア━━」
詠唱を言い終わると同時に、左手から眩い程の閃光と共に空気を切り裂く轟きを残し、雷の槍は奴目掛けて放たれた。
閃光の如く速さで奴に突き刺さり、強力な電流が体内を巡り内側まで破壊して、奴の体を突き抜け雷の槍は空気中に霧散した。
直撃したリザードマンは電流の熱で黒焦げになり、見るも無惨な姿に成り果てた。
「ふぅ、やっと依頼も終わりかな。」
僕は右手に握っている血の滴る刀を斜めに一降りし、腰に吊るしてある鞘に納めた。
無惨な姿に成り果てたリザードマンを一瞥し、くるっと向きを変え森を抜けるためにまた歩き出した。
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