聖夜前日―午後1時

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すると恋に悩む乙女達を少し離れた所で眺めマリオンの淹れた紅茶を飲んでいた大人のユリカが言った。 「男が釘付けになるのって言ったら――やっぱり大きな胸でしょ」 ピキッと今度は空気に大きな亀裂が走った。 クララを始め、乙女全員がユリカを無言で見る。 ユリカは一口紅茶を飲み、続けて言った。 「男なんてなんだかんだ言って最後は胸を見るもんよ」 気のせいか、ゲーム組の男性陣がプルプルと震えている。 「ほら、一番良い例はイーノなんかアストレアといる時なんか10回中7回は胸を見ているわよ」 『待て! どこに行く気だ。イーノ!』 『リーダー頼む! 俺を樹海に行かしてくれっ!』 『落ち付けっ! まだ大丈夫だ!』 『そうだ、アストレアにはバレてないからセーフだぞ。イーノ…』 「って、前アストレア本人が言っていたわ」 『誰か俺を殺してくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!』 「胸ですか…」 マリオンが自分の胸を見る。 乙女全員が遅れて同じ行動をしてため息が同時に漏れる。 「まっ、あんた達じゃ無理な話ね。まな板だし」 「しょ、将来に希望を持ちます!」 「そ、そうです!」 「…今は全員貧乳同盟ですがいつかわ」 「え? えぇっ!? 全員って私もですかっ!!」 「……Bだもん」 いつの間にか入れられたミサキとレイ。 レイは拗ねりながら訴えるが誰の耳にも入らなかった。
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