聖夜前日―午後1時

6/6
39人が本棚に入れています
本棚に追加
/155ページ
『エブリ支部の近くでサリエル1体を発見。至急神機使いは出動してください――』 突如緊急警報が発令された。 マリオンは急いでオペレーターの席につき任務の内容を確認。 「本当にサリエルがやってきたようです。誰が出ますか?」 今この支部でオペレーターが出来るのはマリオンしかいないので彼女はもちろん除外。 「あたし達が行く」 サラサがそう言いつつ暴れるイーノを取り押さえているリーダーと諦めて本を読んでいるシンク達に指をさす。 「樹海に…樹海にっ!」 「樹海に行ってる暇じゃなぇって! つか樹海とか今の時代にあるわけないだろが!! ――ああ、俺達が出動するよ!」 「……分かった。俺も体を動かしたかったところだ」 「わかるわかる。あたしも妙にこう…ムシャクシャしてボコれるやつが欲しかったし」 誰もサラサの発言に、それただの八つ当たり――そんな常識的な意見を迂闊にする愚か者は誰もいなかった。 「任務内容確認、目標はサリエル。サラサさん、イーノさん、シンクさんにリーダ…じゃなくて玖珠さんの4名ですね。部隊名も一応書かないといけないんですがどうします?」 「そうだ…確かにどうしよっか? はい、シンク」 「なかなかの無茶ぶりを要求するな…まぁ、無難に第一部隊でいいだろ。この4人はそうなんだし」 「では、第一部隊の皆さん。出動してください」 「行くぞっ! 野郎共っ!!」 「よいしょと…」 「誰かぁぁあっ!」 「イーノ、いい加減目覚ませ」 こうしてエブリ支部第一部隊が出動。そして――これがエブリ支部設立以来の危機が襲い掛かる序章だった。
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!