プロローグ

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朝起きると、隣りにはよく知っているけれど、彼氏ではない男が寝ていた。 ふ、服は……? そんなもの、考えるまでもない。 この、やけに肩がスースーとした感じに、素肌に擦れるシーツの感触。 びっくりし過ぎて、しばし放心状態のまま、ご丁寧に腕枕までして頂いているそのお方の横顔を、首だけ捻ってぼうっと眺める。 確か昨日一緒に飲んで…… ウチまで送って貰って…… それから、またウチで飲もうってことになって…… 待って! 待てよ、待てーーー 取り敢えず、布団をぐっと首まで引き上げて辺りを見回す。 そう、まずはこの布団カバー! このベージュに北欧系の花柄デザインは、いつも私が使っている物。 この白い壁紙と、天井の丸くて大きなライト。 ベージュの木目のチェストも、その上にある香水の瓶も見覚えがあり過ぎる。 間違いない。 ……確かに、私の部屋だ。
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