1 始まりからラブコメ?

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「す…、すみません。よく…、覚えてないんです」 ボッと顔が熱くなったから、咄嗟に下を向いて誤魔化した。 佐野さんはただ「そっか…」と呟いた。 やだ、私、何てこと……。 「あの……、やっぱりその……?」 やっぱり、そこは聞いておかないと……ね。 佐野さんは私の問いに、「うん」と、罰の悪そうに苦笑しながら頷いた。 「俺もちょっと酔ってて……」 言葉を濁したけれど、事実には変わりないようだ。 その瞬間、事実を知れてよかったような、なんだかでもショックのような、落胆にも似た溜息が肩の力と一緒に抜けていった。 「あの、でも、ちゃんとシタから……」 「はい?」
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