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一瞬意味が分からなくて眉をひそめた。
てか、シタ、んでしょ?
……私達?
「そ、そんな…こと……っ!」
いちいち言わなくてもよくない!?
ちゃんと、シタ、って何?
すると、よっぽど私の顔が怪訝そうだったのか、慌てて佐野さんが「違う、違う」と否定し出した。
「ごめん!俺が言いたいのは、その……、ヒニンの話……」
と、尻すぼみになりながら、佐野さんの目線がある一定の方向で止まっている。
点線が延びてるその視線の先を辿るとーーー
ゴミ箱?
その中を覗く勇気はないけれど、何となく視線がパッと向いてしまう。
向き直って佐野さんとまた目が合うと、また罰の悪そうな笑みを浮かべた。
「俺もかなり酔ってたし、何て説明すればいいのか分からないんだけど……。
ーーーって、あの……、本当にごめん」
佐野さんがまた頭を下げた。
……ってことは、記憶がないってこと?
だから、もしかしてゴミ箱を確認したの?
でも、そんな佐野さんの姿を見て思った。
よかった、とーーー
こんな時にナンだけど、思わずそのことにはホッとしたりして……。
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