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あ~、気まずいよね、きっと。
しかも、私と……、だから余計気まずいよね。
「あの、このことーーー「忘れましょう!」
私が先回りすると、彼は言い掛けた口をポカンと開けたまま静止した。
佐野さんには好きな人がいる。
しかも、それは私の友達ーーー
だから、これが一番いいはず。
だって、お互いよく覚えてないんだから!
て言うか、記憶がないならノーカンウトでしょ?
「絶対、愛子には言いませんから!内緒にします。
だから、お互い忘れましょう。ねっ!」
念を押すように伝えると、一瞬目を見開いた佐野さんが申し訳なさそうな顔で、
「う、うん……」
と、頷いた。
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