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「……今何時ですか?」
「もう少しで6時になる」
「えっ!?もうそんな時間に?……てか、私ずっとーー」
「あぁ、ぐっすり寝てた」
「……そ、そうですかっ」
そう言うと、何やら顔を真っ赤にした佐倉茉菜が布団の中に勢い良く潜り込んだ。
「何で急に隠れんだよ?」
頭からすっぽり布団を被り、小さく団子虫のように体を丸めた佐倉茉菜。
その丸まった体ごと布団の上からおい被さってみると、中からくぐもった声が返ってきた。
「く、苦しい……っ」
「だったら早く出て来いよ」
「だって、服着てないし……。佐野さんも何か着て下さいっ!」
そう言えば、トランクス一枚を履いたきりだった。
なるほど……
それで恥ずかしくなったと言う訳か。
さっきまでそんなこと気にもしてなかったのに。
やっぱりこいつは純情なんだな。
そう思えば、なんだかこう、無性にイジメてみたくなるのが“男のサガ”と言うもの。
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