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孝太のアパートからあたしのアパートまでは徒歩10分程度。
毎日晩ごはんだって、一緒に食べられる距離だ。
あたしの部屋に孝太の荷物が増えたって、ちっとも不思議じゃない。
だけど、あたしの部屋にある孝太の持ち物と言えば、部屋着に歯ブラシ、それからマグカップぐらいで。
休日だって、別々に過ごすことの方が多い。
……孝太って、あっさりしてるよね。
恋愛観の違いと言えばそれまでだけど。
あたしは、もっと、孝太に愛されたい。そして、安心させて欲しい。
でも、あたしが願う安心って何だろう?
ううん。本当は自分でもわかってる。
あたしは、孝太から結婚の約束が欲しいんだ。
まだ付き合って数ヶ月なのに、そんなことを考えるなんて。
あたし、いつからこんなに重たい女になったんだろう。
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