こんなプロローグで大丈夫か?

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「おとうさぁん・・・。おかあさぁん・・・。起き てよぉ・・・。」 人影はどうやら男の子のようだ。 亡骸は男の子の両親のようである。 しかし両親二人の亡骸は他の亡骸とは違い、 外傷は全く見当たらない。 そして父親が母親を庇う形で亡くなってい た。 母親も誰かを庇うように 下を向いている事から、男の子は両親二人に 守られ生き残れたのだろう。 見た目はまだ十歳にも満たない男の子。 頭髪は絹糸の様な滑らかで綺麗な白髪、クリ クリとした子供らしい大きな瞳からは大粒の 涙が零れる。 それを止めてくれる者は 居ない。 否、もう居なくなってしまったのだ。 しゃくり上げるように泣きながら、二つの亡 骸を交互に揺らす。 だが、二人は二度と起き上がる事はない。 それでも懲りずに男の子は揺らし続ける。 「やだよぉ・・・。起きてよぉ・・・。・・・っ!。」 男の子は亡骸から手を離すと頭を抱えて踞 る。 「・・・ッァァァァ!」 頭を抱えながら今度は天に向かって涙を流し ながら吠える。 どれくらい泣き叫んでいたのだろうか、疲れ 切った様に男の子は意識を失い倒れ込んだ。 ─ドウシテ? ─ドウシテミンナシンジャッタノ? 男の子が倒れ込んだ瞬間突然世界がぐるりと 反転し、目の前が真っ白な光に包まれた。
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