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目の前が白くなる
それが全体に広がり、妙な浮遊感がある
しばらくして霧が晴れるように目の前が鮮明になっていく。
竜介はまた目を閉じる。
川の流れに見をまかせるように・・・
夢の流れに見をまかせて
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少し大きい家でたくさんの人の声が聞こえる
戦争中にも関わらずいかにも幸せそうな話し声と笑い声。
「はははははははは」
「・・・ふっ」
「お、おい!竜!今笑わなかったか!?」
「・・・え?」
「マジかよ!?」
「竜坊!もっかい見せてくれ!」
「竜・・・。もう一度・・・、笑って?」
「普段あんまり笑わない人が言えることじゃないと思いますけど」
「・・・・む。さゆりどういう意味?」
「特に深い意味はないのでそのナイフを下ろしてもらうとありたいのですがぁぁぁぁ危ない!!!」
「ガンバレ~さゆり~」
「見てないで助けて下さいよ!!うわぁぁぁぁ」
・・・笑った?・・・俺が?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう・・・か・・・・
俺は気づかぬうちに心を開いてたのか・・・
こいつらを家族だって認めてたのか・・・
ははっ、すげぇや。賭けは俺の負けだな・・・
「なぁ、あんたのことを父さんって呼んでもいいか?」
「も、もちろんだ~~~~」
「うわっ、泣くなよ気持ち悪い・・・・」
「じゃあさ、じゃあさ。私のことお姉さんって呼んで!」
「お前は竜坊より年下だろうが!」
「いで!!なんでよ~。私だって弟欲しいもん」
「私も年下だから名前で呼んでくれればそれでいい・・・」
「お兄ちゃんって呼んでもいいですか!?」
「ははっ竜介。年下にもてもてだなぁ」
俺は世界がこんなに楽しいって思ったのは初めてだ・・・
「・・・・ありがとな」
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