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紅の緞帳から
「世界は舞台だ」
此処は数多の客と数多の役者と数多のエキストラが犇めく舞台。
二四時間三六五日、絶えず舞台は進行し、恙無く進んでいく。
生の喜びに溢れ、誰かの笑い声が聞こえる世界。何処かで誰かが馬鹿をやり、それを可笑しなものだと笑い合う、その舞台は喜劇か。
それとも。
血に塗れ、泥に塗れ。生の光とは正反対。死の闇に恐れ、縋り、明日の希望すら見出せずに今に溺れる。その舞台は、悲劇か。
「観客は何を思うのか。潔くも馬鹿馬鹿しい生き様を見て、何処までも滑稽な死に様を見て」
――さて。
――目の前の貴方は、どう“捉え”る?
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