プロローグ

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とある宇宙空間、その中を航行する1隻の宇宙船、宇宙船には、銀河連邦警察の超次元戦闘母艦を示すシルエットが付けられていた。それを操縦する一人の男性。 そう、彼こそ、かつて地球を舞台に、宇宙犯罪組織マクーと壮絶な死闘を繰り広げた。伝説の宇宙刑事、ギャバンである。そして、彼が操縦している艦は、マクーとの戦いからずっと使っている超次元高速機ドルギランである。 彼は、地球でのアシュラーダ事件の事後処理の後、自身が隊長を務める銀河パトロール隊に復帰、隊長として、平和な日々を過ごしていたのだ。 ギャバンがここにいる理由は、最近この宙域で次元の歪みが何度も観測されていて、その調査のために、ギャバンが特命で派遣されたのだ。ドルギランは、歪みの観測地点で静止した。 「ここだな。最近次元の歪みが観測されている場所は」 そう言うとギャバンは、ドルギランの観測用ソナーを起動した。 ドルギランに内蔵されている観測用ソナーは、1000km先に落ちた針の音をも聞き取れる高性能ソナーで、少しの異常も逃がさない・・・筈だった。 「ん?何だあれは?」 突如、ドルギランの目の前に現れた謎の黒い点、点は徐々に拡大し、渦巻き状になった。それと同時に、ソナーが次元の歪みをあの渦巻きからキャッチした。それを見たギャバンはある結論を出した。「まずい!ワームホールだ!」 ワームホールとは、時空の歪みで発生する空間領域である。科学的に発生することも可能だが、自然的に発生したワームホールは、ブラックホールと同じくらいの危険性があるのだ。 ギャバンは、慌ててドルギランのエンジンを起動させたが、時すでに遅かった。 「くっ!吸い込まれる!」 ギャバンを乗せたドルギランは、ワームホールに吸い込まれてしまった。ドルギランを吸い込んだワームホールは、その後消滅した。 ・・・この日、伝説の宇宙刑事ギャバンは、この世界から姿を消した。
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