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叫ぶ絶望鋼鬼は、額を押さえていた手を退けた……すると、何という事だ!?
露になった核結晶はヒビ一つどころか、傷すら付いていないではないか!
「がはははははっ!恐れ入ったか、我が核特性!」
そう!その言葉通り、その理由は核特性にあった!
昇華系核特性、絶望絶壁!
その力は、自身の硬度を上昇させるものだ!
更に、その硬度は吸収した絶望の分だけ上げることが出来る!
その効力は、半永久的に持続!
正しく、絶対に越えられぬ壁……絶望絶壁となるのだ!
「がはははははっ!絶望しただろう!?鉄竜王!今こそ貴様の絶望を頂く時!」
愉快そうに捲し立てる絶望鋼鬼は、地面に伏せる竜王を見据える。
彼にとっての絶望は、鮮血悪鬼でいうところの血液……即ち、餌なのだ。
「……ぐふふっ、少ないが大変濃い絶望が浮いておる……良いぞぉ、鉄 竜王」
彼は、その能力により絶望した魂を視認出来るのである。
「絶望、吸引!」
叫ぶと共に獣の様な面頬が中央より開き、底の見えぬ闇が蠢く邪悪な口が露になった。
すると、瓦礫の山の隙間から黒く色付いた魂が次々にその口に吸い込まれていく。
今回の襲撃で犠牲になった罪もない教員、生徒達の絶望した魂だ。
「滾(たぎ)るッ!滾るぞぉおお!?ぐふははははははははははははっ!」
吸収する度に、彼の高笑いと共に額の核結晶がギラギラと邪悪な輝きを放った。
これで彼の硬度は更に上昇、肉体の損傷も回復されるだろう。
しかし、彼が最も吸いたいであろう竜王の絶望した魂は、一向に彼の身体から吸い出されずにいた。
まるで、魂レベルで抗うかの様に肉体にしがみついている。
「ぐふふっ、往生際の悪い男よ!どれ、その肉体を完全に破壊して吸い出しやすいようにしてやるわ!」
そんな抵抗すらも楽しむ様に声を上げた絶望鋼鬼は、その巨体をズシンズシンと大袈裟に音を立てながら竜王の元へ向かわせた。
彼の身体を足元に捉えると、いやらしく細めた目を向けて拳を振り上げる。
「我が肉体の中で永遠に生きよ!鉄 竜王ォオオ!!!」
そして遂に、叫び声を上げながらその巨拳を振り下ろした!
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