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大竜巻が直撃する瞬間!良太郎の身体から真紅の輝きが放たれた!
しかし、それも束の間……大竜巻は輝きと共に良太郎の全身を飲み込んでしまう!
「がはっ!がははははははっ!!!ブァーカッめぇ!!!このワシを前にして空に舞い上がるとは、自ら絶望に飛び込むと同義!正に愚の骨頂よォ!がははははははっ!!!」
自らの放った大竜巻を見据えながら、狂気染みた笑いを上げる絶望鋼鬼。
「ちぃと他の女との関係を口にされただけで身を固めるなど若い若い!この程度のカスに、あの女狐は遅れを取ったのかぁ!?がはははははっ!所詮は色仕掛けで地位を築く様な女だったというわけだ!がはははは……」
徐々に弱まり消えていく大竜巻……必然、舞い上げられた物体は力無く落下してくる……絶望鋼鬼は邪悪なまでに口元を歪めてそれを目で追った。
「ぐふふっ、漸くゴミが落ちてきた……かァ!?」
ズ、ドンッ……!
音を立てて落ちてきた物体を捉えた絶望鋼鬼は目を見開いた!
何とそれは、良太郎を追尾したはずの自らの左腕!絶望飛翔拳の残骸なのだ!
「バッ、バァカなぁああ!?何故、何故ワシの左腕がァ!?」
彼が驚くのも無理はない!
絶望絶壁の効果で絶対的硬度を誇っていた彼の鬼鎧装甲の一部である左腕!その拳が破壊されているのだから!!!
「ぬぅああ有り得んんん!!!絶望飛翔拳は確かに最上良太郎を捉えていたはずだ!奴は、最上良太郎は何処に行ったのだぁああ!!?」
そう……絶望鋼鬼の言う通りである。
遠隔操作されていた巨拳は、大竜巻の中で良太郎を捉えた事を彼の脳に伝えていた……これは紛れもない事実だった。
だが、巨拳と共に飲まれたはずの良太郎は落下してこない……彼は一体何処に……!?
「…………おいおい、分からねぇのかクソ野郎。それとも、性根の腐ったクソ野郎ってのは頭の中身も腐ってるのか?」
響き渡る声!その声は、紛れもない良太郎の物!
それを耳で捉えた絶望鋼鬼は、忙しなくさ迷わせていた視線を固定した。
「まっ、まさか貴様ッ……そこにいると言うのか!?」
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