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叫び終えると同時に絶望鋼鬼の左腕が再構築された!
両腕に戻った絶望鋼鬼は、どっしりとした構えを取り鮮血悪鬼を睨み返す!
「貴様の絶望を食らいワシは!更にィッ!強くなるのだァアア!!!」
刹那、絶望鋼鬼が動いた!
その巨体に似合わぬ速度で音もなく鮮血悪鬼との距離を詰め、その巨拳による下段突きを彼目掛けて放つ!
瞬く間の出来事!鮮血悪鬼に動く暇すら与えぬその攻撃は彼を捉え、強烈な衝撃音を立てた!
ゴゴォォオンッ!
「……なっ、何ィ!!?」
しかし、巨拳に捉えられたはずの鮮血悪鬼は吹き飛ぶ事も無くその場に立っている!
「今のは不意打ちのつもりか?……ハッキリ言って遅すぎだ、眠たくなるぜ」
なっ、何という事だ!?
優に自らの二倍は有るであろう絶望鋼鬼の下段突きを、鮮血悪鬼は易々と片手で受け止めているではないか!?
圧倒的なサイズ差……それを物ともしない鮮血悪鬼の出鱈目なパワー!
「ウガァアアアアアアアア!!!」
そんな鮮血悪鬼は、直ぐ様受け止めた拳にもう片方の手を添えて掴み、野獣の如し咆哮を上げて投げ飛ばした!
受け止められた事に唖然としていた絶望鋼鬼は、抵抗する暇もなく宙を舞い、回転しながら辛うじて原型が残っていた校舎の一部に叩き付けられる!
投擲による凄まじい速度、プラスその巨体……これで校舎は完全に崩壊してしまった。
まるで砂の城が崩れるように易々と、飲み込まれた絶望鋼鬼に瓦礫が降り注ぎ彼を埋める。
「やったか?……いや、まさかな……これ位で死ぬはずが無い……」
操血静鬼との戦いで学習していた鮮血悪鬼は、油断無く校舎跡を見据えながら周囲にも気を配る。
ズズドォォォンッ!
彼の予想通り、絶望鋼鬼の反撃が来た!
瓦礫の山を吹き飛ばし、二つの巨拳が鮮血悪鬼目掛け、唸りを上げて飛んで来たのだ!
「オォオオオッ!!!」
気合いの叫びを上げながら、鮮血悪鬼は迎え撃つ所か逆に突撃した!!!
その圧倒的な速度で、迫る二つの巨拳を瞬時に粉砕!
勢いをそのままに、鮮血悪鬼が向かうのは本体である絶望鋼鬼の埋もれる瓦礫の山!
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